122日目：ポニーテール

122日目のテーマは「ポニーテール」。
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Contents

コントラSS

切るに切れない長い髪。
「そんなに煩わしいのならば」
そんな風に言う親友だが、彼は僕の髪が好きだと言ってくれた。
「まるで長くてキレーな動物のシッポみてーだな」
風を切って走る誇り高き獣。その揺れる尾と僕の髪が似ているだなんて。
そう言われると何だか嬉しくて笑ってしまったんだ。

（今回は、「弘孝」と「ジン」のお話です。）

「黒く艶やかな長い髪を弄る、母の姿が大好きだった。中でもポニーテールを結ぶ動作がとても印象的で、ドキドキしながら見ていたものだ。父に好かれようと頑張っていた母。髪は彼女の自慢だったんだ」

通勤途中の踏切で、いつも見かける後ろ姿。
彼女は常にポニーテールで、残念ながら顔は分からない。
気になるけれど彼女の顔を見る勇気が無いから、後ろ姿だけでも見ることが出来れば十分。
そう思っていたのに……
ある日を境に、彼女は姿を消してしまったんだ。